2018年5月24日木曜日

音訳における補足の読み方

こんにちは、
の音訳の部屋へようこそ!


さて、
今回は音訳における「補足のある文章」についてです。

早速ですが、
次の例文をもとに補足の読み方について
説明していきます。

『このブログでは福祉関連の情報(特に音訳について)を発信して・・・』

多くの場合、補足は()の中に入っています。

そして音訳では補足の部分については、読み方を変えます。


私もまだまだ習いたてですが、実際にどんな感じで補足の部分を読むのか以下動画でご視聴ください。

いかがでしたでしょうか。

ポイントを以下、箇条書きにします。

・補足部分は「低いピッチ」で「やや早めのスピード」で読む
・補足部分の前後は間をとる
・補足部分の前は高いピッチで留めておく
 ⇒後ほど説明します!今回の動画ではあまり表現してません。
・補足部分が終わった後の助詞は高いピッチになったりしない
 ⇒これも後ほど説明します!!今回の動画では少し意識して表現してます(しているつもりです。。。)

補足の部分は
ピッチとスピードの変化で伝えることができます。

補足は本当に伝えたい情報を助けるもの、補うものですので、大事な情報よりは軽いものとして伝えることになります。

ということで「補足の文章の読み方」を
ご紹介させていただきました。

世の中には補足がたくさん散りばめられているので、新聞や雑誌などで補足部分の練習すると良いと思います。


補足部分で使用するピッチとスピードを自由自在に使えるようになると、これから紹介する他の音訳技術も表現しやすくなりますので、ぜひ練習してみてください!

音訳におけるフレージングとは(単語を意識して読む)

こんにちは、
の音訳の部屋へようこそ!


さて、今回はフレージングの最終回。
「単語を意識して読む」ということについてお話をすすめていきます。

とはいえ、何か特別なことではなく文字通り「単語」を意識して「読む」というだけ(といっても、重要なことなんですが)です。
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今回も例文をもとに説明させていただきます。

『私は黒い犬を飼っています』

「黒い」と「犬」の部分について、
単語を意識しないと
くろいぬ」というように聞こえることがあります。

文章は名詞+助詞、形容詞、形容動詞などから成り立っています。

その為、内容を正確に伝えるためには一つ一つの「単語」がきちんと聞こえなければなりません。

特に前の単語の語尾と後ろの単語の頭に同じ母音が続くところは注意が必要です。

次に続く単語を意識することで
はっきり発音できるようになります。

また、(実際に私がそうでしたが)単語を意識するあまり、母音が重なる部分の前後を読むスピードが若干遅くなると不自然になりますのでご注意ください。

聞き手の耳に自然と入る(理解できる)音になるよう練習することが必要です。


これで、フレージングについてという記事を3回に分けてお伝えさせていただきました。

音訳におけるフレージングとは(言葉のつながりを考える)

こんにちは、
の音訳の部屋へようこそ!


さて、今回はフレージングについての2回目ということで「言葉のつながりを考える」というテーマでお話をさせていただきます。

まず、こちらの文章を御覧ください。

『先日亡くなった妹の兄が三年ぶりに遊びに来ました』

さらっと読んでしまった、そこのあなた!

亡くなった方」が遊びに来るような内容になってはいませんか!?
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言葉のつながりを考えて「音を切り」、適切な場所で「ピッチを高く」しないと全く異なる文章になってしまいます。

上の文章は、言葉のつながりを考えてフレージングするとこうなります。

『先日 / 亡くなった妹の兄が / 三年ぶりに遊びに来ました』

文章は言葉のつながりです。

文章をどこまでをひと続きで読むか(音を続けるか)によって内容が変わってしまうことがよくあります。

別の言葉で言うと文章をどこで切るかということです。

音のひとかたまりをフレーズといいますが、私たちは無意識のうちにフレーズをつくって読んでいます。

話をするときも同じで、前の言葉と後ろの言葉の関係を無意識のうちに「ピッチ」と「間(ま)」で伝えています。

言葉の意味がつながっていないときは、前の言葉で止めて、後ろの言葉のピッチは上がっています。

反対に前の言葉と後ろの言葉の意味がつながっているときは、後ろのピッチは自然に下ります。


以上が、フレーズについての「言葉のつながりを考える」でした。

音訳におけるフレージングとは(伝えたい言葉をつかむ)

こんにちは、の音訳の部屋へようこそ!

今回は「フレージング」について書いていきたいと思います。
「フレージング」とは、
音訳をする前に文章をどこで区切ったらよいかを考える事になります。

では、
どのように区切っていけばよいかというと

・(その文章において)伝えたい言葉をつかむ
・言葉のつながりを考える
・単語を意識して読む

この3点が聞き手に分かるように読むポイントとなります。

今回のブログではまず、「伝えたい言葉をつかむ」という点についてお話させていただきます。

フレージングという考え方において
とても大切な手法・考え方になりますので
しっかりと抑えておいたほうがよいと思います。
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さて、皆さんは大切な点や言葉を伝えようとするとき、どうやってそれを伝える(強調する)とき、どうしますか?

大部分の方は伝えたい言葉や単語については高い音で言います。

例えば、次の例文はどうでしょうか。

『木曜日はお出かけだから今日は早く準備しなさい』

この場合、”準備しなさい”という部分の重要度が高いと判断し、準備しなさいが高くなったかと思います。

次は、いかがでしょうか。

『明日は朝から会議だから、早起きしてくださいね』

この場合、やはり「早起き」が高い音になると思います。これがポイントです。

音訳のお仕事をする際には、まず「今回音訳する文書では何がポイントなのか」という全体を把握し、各項目において「何を一番伝えなくては(理解してもらわなければ)いけないのか」ということを考えることが非常に大切です。

これがフレージングという作業の一つになります。

伝えたい言葉はどれか」を考え、「伝えよう」という意識を持って音訳することは大切です。

音訳におけるピッチカーブとは

こんにちは、
の音訳の部屋へようこそ!

さて、今回は「ピッチカーブ」というものをご紹介させていただきます。
まず、「ピッチ」という単語にピンとこない方は過去にブログ記事で取り上げましたので、コチラをご覧下さい。

https://tanukichi-onyaku.blogspot.jp/2018/05/blog-post_3.html

さて、ピッチについてはご理解いただけましたでしょうか。
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いきなりですが、
ピッチカーブのイメージを書いてみましたので以下の図を御覧ください。

今回は例文として
「空はどこまでも青く、雲ひとつ見えない」
をもとにピッチカーブの説明をさせていただきます。

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まず、
上図の説明ですが縦軸をピッチ、横軸を時間(の経過)として見てください。


ピッチカーブとは、
上図における「文字の上にある曲線」のことを指します。

晴眼者の場合、
実際の文字を目で追いながら「そろそろ文が終わるな、次はこの文字が来るな」と”読みながら推測できます”が、視覚障害者の場合は音(声)だけが推測する材料になります。

ピッチカーブを意識せず読んでしまっても音(声)を文字としては捉えることができますが、次の文へ行くタイミングが不明瞭で音を頭のなかで組み立てることが難しくなってしまいます。

ですから、
音訳する場合は利用者(聞き手)に対して『おっ、ここから文書が始まるんだな、あっ、ここで終わるんだな』と推測してもらいやすいように技術を使うことが大切です。

ピッチカーブについては意識する必要がありますが、逆に大げさにやり過ぎると「朗読のような読み」になってしまうので注意が必要です。

ピッチカーブについて音訳と朗読の違いを分かりやすくすると以下の図のようになります。
(あくまでも大げさに書いた例ですので、あしからず。。。)
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いかがでしたでしょうか。

音訳におけるピッチカーブについて
少しでも参考になれば幸いです。

音訳者たるもの、利用者のことを思い、自分の声を利用者に対してより聞きやすく、分かりやすいものを提供する姿勢は必要であると常に心がけて音訳を学んでおります。


ピッチカーブについては日常会話では意識することのない(少なくとも私は)技術になりますので、意識して何度も練習することが大切です。

音訳における間とは

こんにちは、
の音訳の部屋にようこそ!


「あいつは空気が読めんやつだ!」
「あの人なんだか話してて、息苦しい・・・」

なんてこと、ビジネスの現場でたまに聞きます。
残念ながらそういう場合、
本人はほとんど気づいていない場合が多いですよね。
(かく言う私も意識しすぎず、意識してビジネスマンをやっておりますが 笑。)

音訳において「空気」とは言いませんが、「」というものが存在します。
(「間」は「ま」という読み方です。そのままです。)

(ま)というと、
普段の会話でも言葉と言葉の間に間をどれだけ置くかということはとても重要で、その間の取り方によって相手に言葉以上のものを伝えることもできます。

音訳においても間(ま)はとても重要です。

音訳における間の役割の一つとして
内容(項目)の変わり目」を表します。

普段の会話でも間があるように音訳においても内容や情報を伝えるのは言葉や単語だけではありません
読み手の声の高低、スピード、間からも情報を受け取り、また感じ取っていただいております。
音訳ではただ単に、文字を追うだけではなく、内容を伝えることを念頭に読むよう心がけてください。
実際に私も音訳を学び、練習していく中で間を取ることの重要性は何度も感じております。
後日、別途ブログでご紹介しようと思いますが文章の終わりはしっかりと低い音で下げることで文章の終わりを感じてもらうように読む技術を使いますので、より一層(自分が思っているより)、しっかりと間を取らないと次の文頭で高い音が出ません。

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音訳のように普段の会話では間を取ったりしませんが、
話をするテンポや相手に対する配慮(聞きやすく話している姿勢)については、音訳以外の場面でも役に立つと思います!
ぜひ、音訳の間をつかんでビジネスチャンスもつかみとりましょう。(←どやっ)

音訳におけるピッチとピーク

こんにちは、
の音訳の部屋にようこそ!

今回も楽しく音訳を学んでいただけたら、と思います。

さて、
みなさんは「ピッチ」と聞くと何を思い浮かべるでしょうか。

私の場合、音訳を始めるまではピッチという言葉を

「(長距離ランナーに対して)もっとピッチを上げろ!」

という熱血コーチのセリフが思い浮かびましたので、「ピッチ」=「スピード・速さ」みたいなものだと思っていました。

しかし、
音訳で使う「ピッチ」という言葉は「音の高低」を表現するときに使います。

ちなみに、
「ピッチを上げる」というのは高い音(声)にすることで、反対の「ピッチを下げる」というのは低い音(声)を出すということになります。
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音訳の技術として、
ピッチが高いと重要な箇所であったり、内容の変わり目ということを意図的に(技術的に)聞く側へ伝えようとしていることになります(という意識を音訳者はしてます)。

逆にピッチが低くなると補足部分やそれほど重要ではなくスラスラと聞き流す場所というような印象を与えようとして、音訳者は読んでいることが多いです。

また、
ピーク」という言葉も音訳でよく聞く単語です。

ピークというのはアクセントの峰と言われるように、ピークをつけるというのは『単語や文章の音の高低の差を大きくするということ』です。

その反対で、ピークをつけないというのは高低の差を少なくすることです。

日本語のアクセントは二拍目から高くなる単語が多いので二拍目がポイントとなります。
ピークがついてないと低い音が続き、全体的に暗く聞こえます。
聞いている方も暗く感じるより明るく感じる声を聞いていたほうが気持ちが良い場合が多いと思います。

ですので、
ピークをしっかり付けて二拍目の音を高くするように心がけると良いと思います。