2018年5月24日木曜日

音訳における補足の読み方

こんにちは、
の音訳の部屋へようこそ!


さて、
今回は音訳における「補足のある文章」についてです。

早速ですが、
次の例文をもとに補足の読み方について
説明していきます。

『このブログでは福祉関連の情報(特に音訳について)を発信して・・・』

多くの場合、補足は()の中に入っています。

そして音訳では補足の部分については、読み方を変えます。


私もまだまだ習いたてですが、実際にどんな感じで補足の部分を読むのか以下動画でご視聴ください。

いかがでしたでしょうか。

ポイントを以下、箇条書きにします。

・補足部分は「低いピッチ」で「やや早めのスピード」で読む
・補足部分の前後は間をとる
・補足部分の前は高いピッチで留めておく
 ⇒後ほど説明します!今回の動画ではあまり表現してません。
・補足部分が終わった後の助詞は高いピッチになったりしない
 ⇒これも後ほど説明します!!今回の動画では少し意識して表現してます(しているつもりです。。。)

補足の部分は
ピッチとスピードの変化で伝えることができます。

補足は本当に伝えたい情報を助けるもの、補うものですので、大事な情報よりは軽いものとして伝えることになります。

ということで「補足の文章の読み方」を
ご紹介させていただきました。

世の中には補足がたくさん散りばめられているので、新聞や雑誌などで補足部分の練習すると良いと思います。


補足部分で使用するピッチとスピードを自由自在に使えるようになると、これから紹介する他の音訳技術も表現しやすくなりますので、ぜひ練習してみてください!

音訳におけるフレージングとは(単語を意識して読む)

こんにちは、
の音訳の部屋へようこそ!


さて、今回はフレージングの最終回。
「単語を意識して読む」ということについてお話をすすめていきます。

とはいえ、何か特別なことではなく文字通り「単語」を意識して「読む」というだけ(といっても、重要なことなんですが)です。
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今回も例文をもとに説明させていただきます。

『私は黒い犬を飼っています』

「黒い」と「犬」の部分について、
単語を意識しないと
くろいぬ」というように聞こえることがあります。

文章は名詞+助詞、形容詞、形容動詞などから成り立っています。

その為、内容を正確に伝えるためには一つ一つの「単語」がきちんと聞こえなければなりません。

特に前の単語の語尾と後ろの単語の頭に同じ母音が続くところは注意が必要です。

次に続く単語を意識することで
はっきり発音できるようになります。

また、(実際に私がそうでしたが)単語を意識するあまり、母音が重なる部分の前後を読むスピードが若干遅くなると不自然になりますのでご注意ください。

聞き手の耳に自然と入る(理解できる)音になるよう練習することが必要です。


これで、フレージングについてという記事を3回に分けてお伝えさせていただきました。

音訳におけるフレージングとは(言葉のつながりを考える)

こんにちは、
の音訳の部屋へようこそ!


さて、今回はフレージングについての2回目ということで「言葉のつながりを考える」というテーマでお話をさせていただきます。

まず、こちらの文章を御覧ください。

『先日亡くなった妹の兄が三年ぶりに遊びに来ました』

さらっと読んでしまった、そこのあなた!

亡くなった方」が遊びに来るような内容になってはいませんか!?
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言葉のつながりを考えて「音を切り」、適切な場所で「ピッチを高く」しないと全く異なる文章になってしまいます。

上の文章は、言葉のつながりを考えてフレージングするとこうなります。

『先日 / 亡くなった妹の兄が / 三年ぶりに遊びに来ました』

文章は言葉のつながりです。

文章をどこまでをひと続きで読むか(音を続けるか)によって内容が変わってしまうことがよくあります。

別の言葉で言うと文章をどこで切るかということです。

音のひとかたまりをフレーズといいますが、私たちは無意識のうちにフレーズをつくって読んでいます。

話をするときも同じで、前の言葉と後ろの言葉の関係を無意識のうちに「ピッチ」と「間(ま)」で伝えています。

言葉の意味がつながっていないときは、前の言葉で止めて、後ろの言葉のピッチは上がっています。

反対に前の言葉と後ろの言葉の意味がつながっているときは、後ろのピッチは自然に下ります。


以上が、フレーズについての「言葉のつながりを考える」でした。

音訳におけるフレージングとは(伝えたい言葉をつかむ)

こんにちは、の音訳の部屋へようこそ!

今回は「フレージング」について書いていきたいと思います。
「フレージング」とは、
音訳をする前に文章をどこで区切ったらよいかを考える事になります。

では、
どのように区切っていけばよいかというと

・(その文章において)伝えたい言葉をつかむ
・言葉のつながりを考える
・単語を意識して読む

この3点が聞き手に分かるように読むポイントとなります。

今回のブログではまず、「伝えたい言葉をつかむ」という点についてお話させていただきます。

フレージングという考え方において
とても大切な手法・考え方になりますので
しっかりと抑えておいたほうがよいと思います。
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さて、皆さんは大切な点や言葉を伝えようとするとき、どうやってそれを伝える(強調する)とき、どうしますか?

大部分の方は伝えたい言葉や単語については高い音で言います。

例えば、次の例文はどうでしょうか。

『木曜日はお出かけだから今日は早く準備しなさい』

この場合、”準備しなさい”という部分の重要度が高いと判断し、準備しなさいが高くなったかと思います。

次は、いかがでしょうか。

『明日は朝から会議だから、早起きしてくださいね』

この場合、やはり「早起き」が高い音になると思います。これがポイントです。

音訳のお仕事をする際には、まず「今回音訳する文書では何がポイントなのか」という全体を把握し、各項目において「何を一番伝えなくては(理解してもらわなければ)いけないのか」ということを考えることが非常に大切です。

これがフレージングという作業の一つになります。

伝えたい言葉はどれか」を考え、「伝えよう」という意識を持って音訳することは大切です。

音訳におけるピッチカーブとは

こんにちは、
の音訳の部屋へようこそ!

さて、今回は「ピッチカーブ」というものをご紹介させていただきます。
まず、「ピッチ」という単語にピンとこない方は過去にブログ記事で取り上げましたので、コチラをご覧下さい。

https://tanukichi-onyaku.blogspot.jp/2018/05/blog-post_3.html

さて、ピッチについてはご理解いただけましたでしょうか。
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いきなりですが、
ピッチカーブのイメージを書いてみましたので以下の図を御覧ください。

今回は例文として
「空はどこまでも青く、雲ひとつ見えない」
をもとにピッチカーブの説明をさせていただきます。

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まず、
上図の説明ですが縦軸をピッチ、横軸を時間(の経過)として見てください。


ピッチカーブとは、
上図における「文字の上にある曲線」のことを指します。

晴眼者の場合、
実際の文字を目で追いながら「そろそろ文が終わるな、次はこの文字が来るな」と”読みながら推測できます”が、視覚障害者の場合は音(声)だけが推測する材料になります。

ピッチカーブを意識せず読んでしまっても音(声)を文字としては捉えることができますが、次の文へ行くタイミングが不明瞭で音を頭のなかで組み立てることが難しくなってしまいます。

ですから、
音訳する場合は利用者(聞き手)に対して『おっ、ここから文書が始まるんだな、あっ、ここで終わるんだな』と推測してもらいやすいように技術を使うことが大切です。

ピッチカーブについては意識する必要がありますが、逆に大げさにやり過ぎると「朗読のような読み」になってしまうので注意が必要です。

ピッチカーブについて音訳と朗読の違いを分かりやすくすると以下の図のようになります。
(あくまでも大げさに書いた例ですので、あしからず。。。)
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いかがでしたでしょうか。

音訳におけるピッチカーブについて
少しでも参考になれば幸いです。

音訳者たるもの、利用者のことを思い、自分の声を利用者に対してより聞きやすく、分かりやすいものを提供する姿勢は必要であると常に心がけて音訳を学んでおります。


ピッチカーブについては日常会話では意識することのない(少なくとも私は)技術になりますので、意識して何度も練習することが大切です。

音訳における間とは

こんにちは、
の音訳の部屋にようこそ!


「あいつは空気が読めんやつだ!」
「あの人なんだか話してて、息苦しい・・・」

なんてこと、ビジネスの現場でたまに聞きます。
残念ながらそういう場合、
本人はほとんど気づいていない場合が多いですよね。
(かく言う私も意識しすぎず、意識してビジネスマンをやっておりますが 笑。)

音訳において「空気」とは言いませんが、「」というものが存在します。
(「間」は「ま」という読み方です。そのままです。)

(ま)というと、
普段の会話でも言葉と言葉の間に間をどれだけ置くかということはとても重要で、その間の取り方によって相手に言葉以上のものを伝えることもできます。

音訳においても間(ま)はとても重要です。

音訳における間の役割の一つとして
内容(項目)の変わり目」を表します。

普段の会話でも間があるように音訳においても内容や情報を伝えるのは言葉や単語だけではありません
読み手の声の高低、スピード、間からも情報を受け取り、また感じ取っていただいております。
音訳ではただ単に、文字を追うだけではなく、内容を伝えることを念頭に読むよう心がけてください。
実際に私も音訳を学び、練習していく中で間を取ることの重要性は何度も感じております。
後日、別途ブログでご紹介しようと思いますが文章の終わりはしっかりと低い音で下げることで文章の終わりを感じてもらうように読む技術を使いますので、より一層(自分が思っているより)、しっかりと間を取らないと次の文頭で高い音が出ません。

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音訳のように普段の会話では間を取ったりしませんが、
話をするテンポや相手に対する配慮(聞きやすく話している姿勢)については、音訳以外の場面でも役に立つと思います!
ぜひ、音訳の間をつかんでビジネスチャンスもつかみとりましょう。(←どやっ)

音訳におけるピッチとピーク

こんにちは、
の音訳の部屋にようこそ!

今回も楽しく音訳を学んでいただけたら、と思います。

さて、
みなさんは「ピッチ」と聞くと何を思い浮かべるでしょうか。

私の場合、音訳を始めるまではピッチという言葉を

「(長距離ランナーに対して)もっとピッチを上げろ!」

という熱血コーチのセリフが思い浮かびましたので、「ピッチ」=「スピード・速さ」みたいなものだと思っていました。

しかし、
音訳で使う「ピッチ」という言葉は「音の高低」を表現するときに使います。

ちなみに、
「ピッチを上げる」というのは高い音(声)にすることで、反対の「ピッチを下げる」というのは低い音(声)を出すということになります。
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音訳の技術として、
ピッチが高いと重要な箇所であったり、内容の変わり目ということを意図的に(技術的に)聞く側へ伝えようとしていることになります(という意識を音訳者はしてます)。

逆にピッチが低くなると補足部分やそれほど重要ではなくスラスラと聞き流す場所というような印象を与えようとして、音訳者は読んでいることが多いです。

また、
ピーク」という言葉も音訳でよく聞く単語です。

ピークというのはアクセントの峰と言われるように、ピークをつけるというのは『単語や文章の音の高低の差を大きくするということ』です。

その反対で、ピークをつけないというのは高低の差を少なくすることです。

日本語のアクセントは二拍目から高くなる単語が多いので二拍目がポイントとなります。
ピークがついてないと低い音が続き、全体的に暗く聞こえます。
聞いている方も暗く感じるより明るく感じる声を聞いていたほうが気持ちが良い場合が多いと思います。

ですので、
ピークをしっかり付けて二拍目の音を高くするように心がけると良いと思います。

音訳のアクセントについて

こんにちは、
の音訳の部屋へようこそ!

みなさま、
アクセント、気にされたことありますか??

関西弁博多弁名古屋弁なんてありますが、どれも地域から伝わる独特なアクセントやイントネーションを使用しています。
私は結構そういったそれぞれの地域の良さが伝わる方言は好きですが、音訳においては基本的に東京弁(と言ったら語弊がありますが)「共通語アクセント」を使用します。
イメージとしてNHKのニュースキャスターが使用するのが共通語アクセントという感じでしょうか。
ただし、
音訳において共通語アクセントを使用するといってもアクセントが若干ずれていても情報は伝わりますので、気にしすぎず気にする感じで良いかと思います。
とはいえ、
アクセントが変わると他の意味になってしまう場合や読みはじめのタイトル、音訳文書中によく出る言葉については優先的にアクセントに注意して読むほうが良いでしょう。
さて、共通語アクセントの特徴を簡単にご紹介します。

1.高低アクセントである。
2.一拍目と二拍目とは、音の高さが違う。
3.一語の中で、高い部分が離れた二箇所以上の拍に出てこない。
4.最後の拍が高い語には、その後につく助詞が、同じ高さでつくものと低くつくものがある。

た、音訳でしかあまり聞かない単語かもしれませんが、音訳ではアクセントの型というものがあります。

平板型」・・・
へいばんがた、と読みます。最後の拍のあとに助詞が同じ高さでつく
頭高型」・・・
あたまだかがた、と読みます。一拍目が高く、二拍目以降が低くなる
中高型」・・・
なかだかがた、と読みます。一拍目が低く、2拍目以降が高くなり、また低くなる。
尾高型」・・・
おだかがた、と読みます。最後の拍の後に助詞が低くつく

以上の4つが音訳で使用するアクセントの型です。
ですから、
音訳者の方はよくアクセント辞典を見ながら「この単語は平板型だからこう読むんだな!」などと確認されているわけです。
専門用語?とはいえ、なんとなく文字からアクセントの形が想像できるところはやさしいのですが、
どれも”噛みやすく”、授業中に先生から
「これは何型ですか」
なんて聞かれると分かっていても、
「中高型です!」と言うときの集中力と言ったらもう。。。
これまでに何度、中高型を

中田型

と言って赤面して公開処刑された人を見てきたことか。。。
ということで、今回はアクセントについてのお話でした。

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音訳の発声の基本について

こんにちは、
の音訳の部屋へようこそ!

まず、はじめに。
音訳の発声は相当意識しないと出ません、、、!

音訳をしていらっしゃる方はそれぞれのトレーニング法があるかと思いますが、音訳の声を出すためにはほぼ毎日のトレーニングは欠かせません

トレーニングの中では発音の基本として
母音の練習を毎回やっていきましょう!

その際にイメージとして口の開き方、舌の位置、唇の形などを意識すれば良いのかについて簡単に記載していきます。
その前に音訳するときの声の大きさは通常会話するときの声量とは異なります
イメージとして、5メートルくらい前の壁に声を届ける・ぶつけるような感じで声を出しますので、普段の会話では音訳の声は普通は使用しないはずです。
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それではまず、「ア」ですが唇の間に指が縦に2本やっと入るくらいに開けます。舌の位置は自然体で大丈夫です。
口の形が横に広がってしまうと、音が横に拡散されてしまうような感じになり、「ア」と「エ」の中間の不明瞭な「ア」になってしまうのでしっかりと縦に口を開けることを意識してみてください。
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次に「イ」です。
唇は平たくして少し口を開ける。
舌は上歯茎に向けます。
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「ウ」は、唇はすぼめてやや前に出します。
舌は奥へ引き、口の開きは最も小さくします。
母音の発音練習をするときは、「ア」に比べて「ウ」は小さくなりがちですがしっかりと同じ声の大きさで発音する練習をしましょう。
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「エ」は、「ア」の口の開きから唇をやや左右に引き、舌をやや持ち上げます。
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「オ」は、唇は丸く、間に指が1本入るくらいに口を開けます。舌は少し奥に引いてください。

いかがでしたでしょうか。
実際には普段の会話などでは上記のように意識をして話すことは少ないと思いますが、音訳の際は正確に情報を伝える、聞き手に聞きやすい声を出すという点において母音の発音はしっかりと発音できるようにする必要があります。

ただし、実際の音訳の際には母音を一つずつ意識したり、口の形や唇の形に気をつけて読んでいくことはありません
発音練習でしっかりと練習することにより意識しなくても明瞭で、適切な声量を実現することができますので上記のことを意識した母音の発声練習は大切です。
また、母音の発音練習をすることで普段の友達との会話などでも相手が聞き取りやすい声になるかもしれません。
音訳の練習をすることで相手に与える印象もひょっとしたら変わるかもしれませんね、、、!

いずれにせよ母音の発音練習は音訳において基礎となります。
面倒がらずに毎日練習することをおすすめします。
(私自身も頑張ります。。。笑)

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音訳の発声練習について

こんにちは、

の音訳の部屋へようこそ!

これまでのブログで視覚障害者について記載しました。
これから実際に、音訳をする前の準備について書いていこうと思います。
まずは呼吸と発声についてです。
声のもとは息です。音訳については特別に多くの息を必要とするわけではありませんが、声の原動力となる息に余裕があると安定して読んでいくことができます。
ここで確認です。
1.息を吸って、同じ強さで「ハー」と長く声を出してみてください。
2.意識して多くの息を吸って、同じように「ハー」と長く声を出してみてください。

声を出していると最後の方に「かすれる・震える」という感覚が分かりましたか?
肺だけで声を出している、喉から声を出している人は意識的に腹式呼吸で発声してみましょう。
最初のうちは発声するときに下腹やわき腹に手を当ててみるのも良いかもしれません。
このときにお腹いっぱいお昼ごはんを食べていたりするとお腹に取り込む空気が少なくなりますので、音訳をするときは”腹四分目”くらいで臨んだほうが良いかと思います。
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調音について、音訳をする上で大切なのは明瞭で正確な発声です。
しかし、どうしてもうまく出せない音がありますし、多くの人に共通して出しにくい音もあります。
また、住んでいる地域によって方言などがあり生まれながらにして出したことがない音(声)もあるかもしれません。
一人暮らし歴が長い人は自宅ではあまり声をだす機会がないため、意識的に外出(や仕事など)しなければ大きな声を出す機会が少なくなりますよね、そうすると音訳に必要な普段の生活における声量以上の声を意識的に練習して出していかないといけません。
※一人暮らしは音訳者に向いていない、という話ではありませんので注意です。
また、同じ音でも前後に続く音によって口の開きが変化しますので注意が必要です。
例えば大きく口を開ける母音「ア」が続いたり、「ア」と口の開きの小さな「オ」がつながっている場合は、「ア」を小さめに開くと、うまく発音できることがあります。

サ行とハ行については歯並びの影響を受けやすくなっています。
「ラ」「ダ」のように調音点(歯や歯茎、上顎など、音のつくあられる位置。主に子音)の近い音は混同しやすくなります。
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以上です。

2018年5月23日水曜日

視覚障害者について その2

ようこそ、の音訳の部屋へ!

「視覚障害者について その1」では、具体的に視覚障害の様々な特性や点字が読める人の割合などについてふれてきました。
今回はその2ということで視覚障害者は普段どんな方法で情報のやりとりを行っているのかについて考えます。
まず、視覚障害の方で耳が聞こえる方はテレビやラジオから多くの情報を得ている場合が多いと思います。
私の知り合いには視覚障害者ですがスマホ(iPhone)をフル活用し、ラジオなどで常に情報を収集している方もいらっしゃいます。
VoiceOver機能を使い、文字入力は持ち運びやすいキーボードを持っていました。
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また、読書については録音資料を利用する方がいらっしゃいまして図書館の対面音訳を利用する人もいます。
日常生活では郵便物や今すぐ確認したい、しなければいけない資料は家族やガイドヘルパーさんに代読してもらう場合もあります。
これまで視覚障害者が情報を入手するという点について考えましたが、視覚障害者が情報を発信する方法はどのような方法があるのでしょうか。
スマホやノートPCで文字を入力する、(弱視の人であれば)大きな文字で書き表す、自分の声をボイスレコーダーに録音してメモをとるなどなど、当事者の使いやすい道具を使って情報を発信する事ができると思います。
また、パソコンは画面情報を音声で読み上げるソフト「スクリーンリーダー」というものがありますので、画面情報はそのソフトを使って理解することができます。
さらに、「サピエ図書館」を利用したり、テキストデータ化された図書を読んだり、ネット検索を楽しんだり、SNSやホームページを使用して自己表現をする方もいらっしゃいます。
ただし、視覚障害者の中でもパソコンを使える人と使えない人の情報格差は大きく、使えない人にとっても情報の入手、発信ができるような仕組みやサービスの普及が求められています。
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それではポイントです。
▼POINT
・視覚障害者は障害特性や自分が扱いやすい方法で情報を得ている。
・パソコンにはスクリーンリーダーというソフトを使うことで画面情報を読み上げることができる。
・視覚障害者の中で自分にあった情報の受け取り方(発信の仕方)が見つからない人は、そうでない人と情報の格差が生じている。


以上です。

視覚障害者について その1

ようこそ、の音訳の部屋へ!

さて、これまで音訳とは?というお話をしてきましたが今回はその音訳を必要とする視覚障害者についてのお話です。
皆さんの中で視覚障害者と聞くと漠然と「目が見えない方」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、視覚障害者の方でも様々な状態の人がいます。

「全盲(ぜんもう)」といって全く見えない方、
「弱視(じゃくし)」といって、少しは見えるけれど新聞などの文字を読むことは難しい方。
また、小さいときからずっと見えないのか、大人になってから事故などで視力を失った方、加齢に伴い視力が低下した方などなど、”見え方・障害が発生した時期(年齢)”によってその方への支援方法は異なります。
また、駅などで白い杖を持って歩かれている人を見たことはありませんか?
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これは「白杖(はくじょう)」といって視覚障害者の方が携帯しているものです。
よって、視覚障害は「情報障害」と「移動障害」と言われています。
弱視についてもう少し詳しく説明します。
まず、視覚障害において「身体障害者手帳」が1、2級はまったく見えないか、ほとんど見えない人である場合が多いです。3級以下は弱視の方である場合が多いです。
割合としては公式に視覚障害と認められている人の約4割が3級以下にあたる弱視という状況です。
弱視についても全体が見えづらい方、視野のある一部分だけが見えにくい方、視野そのものが狭い方など様々ですので、視覚障害者という一括りで障害を捉えようとせず、支援をする際はどこが不自由をしているのか、どう介助したら良いかについてしっかりと聞く姿勢が大切です。

また、視覚障害者と聞いて多くの方が想像するであろう「点字」ですが、これも視覚障害者の皆さんが皆読めるというわけではありません。
むしろ視覚障害者の中で点字を読める方は1割程度と言われています。やはり中途障害や中途失明、加齢に伴う視覚障害の発生など、これまで見えていた方にとっては点字は改めて学習する言語の一つのようなものであり、簡単ではありません。逆にいえば9割の視覚障害者は点字以外の他の手段で情報を得ていると言えます。
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ということで、今回のブログ記事のおさらいです。

▼POINT
・視覚障害といっても全盲、視野狭窄など見え方は様々
・視覚障害は「情報障害」「移動障害」とも言われている

・視覚障害者の中で点字を読める人は1割程度、9割が点字以外の方法で情報を取得しようとしている

音訳と著作権について

ようこそ、の音訳の部屋へ!

今回の記事は音訳と著作権についてご紹介します。
音訳は「そこに書いてあることを正確に、聞き手が聞きやすい、理解しやすいように声にすること」という点については前回のブログ記事でご覧いただけたかと思います。

正確に、と記載したとおり一言一句、そこに書いてあることを声にするわけですから当然、勝手な自分の判断で「ここの読み方はこうじゃない!こう言ったほうが理解しやすいはずだ」など自分の都合で言い方を変えたり、逆に省略することも許されません。また、誤読などは以ての外です。

また、音訳という職業が(それだけで食べていけるほど収入を得られることできないケースが多いので)確立されていないため、音訳ボランティア活動に参加している方が大半だと思います。
ですが、ボランティアだからといって書いてあることを勝手に省略したり、自由な表現を使ってもいいというわけではありません。ボランティアとはいえ、本当にその情報を必要としているひとは真剣にその情報を正確に知りたいのです。

また、当ブログ記事のタイトルにあるとおり、音訳にも著作権は関係します。著作権法の第二十条同一性保持権には、「著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。」とあります。ですから漢字の読み方は勿論のこと、「てにをは」等に関する全てについて書いてある通りに読まなければいけません。

また、著作権法第三十七条に「視覚障害者等のための複製等」が定められています。著作権法では「録音」は、「複製」という概念で取り扱われます。また、録音が可能なのは「資格によりその表現が認識される方式」のもののみとなっているため、ラジオや音楽など、はじめから音声で提供されているものは、許諾なく使用することはできませんのでご注意を。
さて、要点のまとめです。

▼POINT
・音訳は一言一句、書いて有ることを正確に声にする
・音訳、録音する歳に著作権が発生する
・すでに音になっているもの(ラジオ番組や音楽など)については、音訳をする場合、許諾が必要となる。

ようこそ、たぬきちの音訳の部屋へ!


ようこそ、の音訳の部屋へ!

このブログでは視覚障害者へ情報を提供する手段の一つである音訳についてブログの記事にしていきます。
まず、音訳ってなんだ?という方のためにご紹介します。
音訳と書いて「オンヤク」と読みます。

これは視覚障害者のために、文字や図などを声に出して読むことです。
書いてあるものを読むという点においては朗読と変わらないのでは?とお思いの方、音訳と朗読は全く異なります!実際に自分自身でも挑戦したので間違いありません。
「私はたっぷり気持ちを込めて、私の声を可能な限り豊かに表現して視覚障害者の人たちに伝えていきたいわ」と思っている方、必要な情報を聴く側の立場を考えてみてください。もちろん、聴く側の方で何名かは感情が少し込められていたほうが声に親しみやすく、理解しやすいとおっしゃられる方もいるかもしれません。
しかし、実務で音訳をされている方から伺いましたが(実際に音訳データを聞いている人からのアンケートの中で)「(感情が声に出ているところがあって)聞き取りづらかった」「読み手には淡々と読んでほしかった」等、やはり音訳の技術やルールに従って情報を声にすることが大切だと痛感することが実際にあったそうです。

そして、音訳で取り上げるもの(文書)は文学だけに限らず、本や雑誌、新聞、広報、取扱説明書、スーパーのチラシなど多岐にわたります。例えば雑誌などについて声にする場合、果たして感情がたっぷり込められた説明は聞きやすいでしょうか、聞き手が必要な情報をしっかりと理解することができるでしょうか。
音訳とはあくまでも視覚障害者の「目の代わり」です。

「目の代わり」という表現を使う理由は、聞き手は音訳者の(感情が込められた声や個性的な声表現などの)読みを聞きたいのではなく、そこに何が書いてあるか、正確な情報を知りたいと思っています。 
もちろん、音訳者も十人十色ですので人によって声が違うのは当たり前です。
しかし、声の違いはあるものの一定のルールと技術によって統一され、どの音訳者が音訳しても聞こえ方は同じになるように日々、音訳に携わる方は努力しています。
朗読と音訳の違い、音訳者とはどのような存在なのかをお分かりいただけましたでしょうか。以下、要点をまとめます。
▼POINT
・朗読は読み手の表現を楽しむもの、音訳はそこに何が書いてあるを正確に理解するためのもの
・音訳者は主役ではなく、あくまでも視覚障害者の「目の代わり」
・音訳には様々なルールと技術が存在する
以上です。
そんなことを書いている私自身もまだまだ習いたてのひよっこですが、感じたことや皆さんに知ってほしいことを伝えていきますのでこれからもお付き合いのほどよろしくお願いします!